ワシントンD.C.に位置するスミソニアン国立航空宇宙博物館には、兄弟が残した膨大な書簡や設計メモ、写真ガラス乾板が今も厳重に保管されている。長年にわたり公表されていなかった一部の個人的な往復書簡には、初期の発明権や先陣争いをめぐるドロドロとした人間関係が詳細に綴られていた。
特に、アメリカ政府や同時代のライバル研究者との間で繰り広げられた泥沼の特許紛争は、彼らの精神を著しく摩耗させた。博物館が近年順次デジタル公開を進めているアーカイブ資料は、天才発明家という偶像を剥ぎ取り、苦悩し、怒り、戦い続けた生身の人間としての兄弟像を鮮明に浮き彫りにしている。