「南木曽ねこ」の最大の魅力は、わざわざ複雑な型紙を起こす必要がない点にある。長方形の布地をベースに、自分の背中の幅と首から腰までの長さに合わせて裁断するだけで準備は完了だ。基本的な構造は実にシンプル。背当てとなる表布と裏布を裁ち、肩紐と腰紐を縫い付けたら、中に綿を挟んで閉じ合わせる。
裁縫初心者でも失敗しない仕立てのコツは、肩周りのカーブを急にしすぎないことだ。なだらかな傾斜をつけることで、羽織ったときに肩へ自然になじみ、滑り落ちを防ぐことができる。袖がないため、キッチンの水仕事やパソコンのキーボード打ちでも袖口が邪魔にならない。作業効率を高める作業着としての設計が、無駄のないフォルムに凝縮されている。