現地で10年以上ビジネスを営む日本人経営者や、長期滞在者のコミュニティを取材すると、ネット上の観光情報では決して語られない「生の声」が聞こえてきます。
「フィリピンで一番怖いのは、見知らぬ現地の貧民層ではない。一番恐ろしいのは、親切そうに近づいてくる日本人だ」——これは現地の邦人社会で口を揃えて語られる鉄則です。
現地に逃亡してきた詐欺犯や、日本で居場所を失ったブローカーたちは、新規に渡航してきた日本人起業家や富裕層の高齢者を言葉巧みにターゲットにします。「現地法人の設立を手伝う」「高利回りのカジノ投資案件がある」と持ちかけ、資金を預かった途端に連絡を絶つ、あるいは返金を強く迫られた段階で現地のヒットマンを雇い、強盗に見せかけて抹殺する。こうした冷酷な手口が後を絶ちません。
大手掲示板やSNS上でも、「現地の日本人コミュニティで知り合った男に騙された」「共同経営者に資金を持ち逃げされ、文句を言ったら現地警察に虚偽通報されて拘束されかけた」といった深刻な告発が日常的に飛び交っています。言葉が通じない異国の地で、同じ母国語を話す同胞への過度な信用が、致命的な罠となるケースが浮き彫りとなっています。