ピーマンに対して毒性の懸念が持たれる最大の学術的背景は、ピーマンがナス科トウガラシ属(Capsicum annuum)に分類される植物である点にあります。ナス科植物には、害虫や病原菌から身を守るための生体防御物質として「ステロイドアルカロイド配糖体(グリコアルカロイド)」を生成する特性を持つものが存在します。
代表的な例が、ジャガイモの芽や緑化した皮に含まれるソラニンやチャコニン、未熟な青いトマトに含まれるトマチンです。これらは過剰摂取すると嘔吐、腹痛、下痢、めまいなどの中毒症状を引き起こすことが知られています。しかし、トウガラシ属であるピーマンの場合、品種改良の歴史を通じて毒性の高いアルカロイドの生合成能力は極めて低く抑えられています。
以下の表は、主要なナス科野菜における天然毒素(グリコアルカロイド類)の含有傾向と安全性の比較データです。
科学的な分析結果からも明らかなように、ピーマンにおけるソラニン含有量は懸念するレベルに達しておらず、毒性学的なリスクを心配する必要はありません。