暗所で視界が消える・胸がざわつく理由とは?夜盲症の兆候と心理の闇

暗所で視界が消える・胸がざわつく理由とは?夜盲症の兆候と心理の闇

暗所で視界が消える・胸がざわつく理由とは?夜盲症の兆候と心理の闇とは一体何なのか? 背景や要点を整理してお届けします。

「薄暮時になると急に周囲の人の顔が見分けられなくなる」「夜間の車の運転で車線を見失いそうになる」。こうした兆候は、俗に「鳥目(とりめ)」とも呼ばれる夜盲症初期症状の典型例だ。夜盲症には先天的な遺伝性疾患と、栄養失調や吸収障害に伴うビタミンA欠乏症などの後天的な要因が存在する。日本眼科学会の公表資料によると、近年は極端な偏食や消化器疾患の術後合併症として後天性夜盲症が確認される事例も報告されている。

特に注視すべきは、国指定の難病(指定難病90)に該当する網膜色素変性症の存在だ。遺伝子の変異によって杆体細胞から徐々に変性・脱落していくこの疾患において、網膜色素変性症見え方の最初の異変はほぼ例外なく「暗所での著しい視力低下」から始まる。症状が進行すると、夜盲に加えて輪状暗点などの視野狭窄、強い光を極端に眩しく感じる羞明(しゅうめい)が現れ、最終的には中心視力障害へと移行していく。

自覚症状が現れた場合、速やかに専門の医療機関で暗所視力検査や暗順応検査、さらには網膜の微弱な活動電位を記録する「網膜電図(ERG)」を受けることが推奨される。かつては治療法が存在しないとされた領域だが、遺伝子治療や再生医療、網膜保護剤の研究は急速に進歩しており、早期の確定診断が残存視野を守るための生命線となる。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。