FP2級の最大の関門は実技試験です。実施機関である「日本FP協会」と「一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)」では、求められるスキルセットが根本から異なります。どちらを受験するかによって、過去問の取り組み方を完全に切り替える必要があります。
日本FP協会「資産設計提案業務」の攻略法
日本FP協会の実技は、大問8題・全40問のマークシート形式です。6分野(ライフ、リスク、金融、タックス、不動産、相続)から満遍なく出題され、設例資料の読み取りスピードが合否を分けます。
頻出の計算問題であるキャッシュフロー表の空欄補充(将来価値=現在価値×(1+変動率)^n)や、金融の各種係数(現価係数、年金終価係数、減債基金係数、資本回収係数など)は、パターンが完全に固定されています。過去問解説を読む際は、単に途中式を眺めるのではなく、問題用紙の余白にどの順番で数値をメモし、電卓をどの手順で叩くかという「電卓ワークフロー」を体に染み込ませてください。40問を90分で解き切るには、計算問題で1問あたり3分以上迷わない反射神経が求められます。
きんざい「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」の攻略法
一方、きんざいの実技試験は記述式(数値記入や語句選択)を含む大問5題構成です。深い設例読解と、複雑な税務・法務計算が課されます。
「個人資産相談業務」では、所得税の計算(給与所得控除、医療費控除、住宅ローン控除、退職所得控除の計算ステップ)、建ぺい率・容積率の特例適用、小規模宅地等の特例の限度面積計算など、手書きで正確な数字を導き出さなければ1点ももらえません。過去問解説の途中式を1行ずつ隠し、自力で白紙に数式を再現できるまで解き直すことが必須です。
「生保顧客資産相談業務」を受験する場合は、保険証券の読解や法人契約の経理処理(資産計上と損金算入の割合)が合否の天王山となります。過去問解説に記載されている「仕訳の背景理由」まで踏み込んで整理しておかないと、特約の条件が少し変化しただけで部分点すら拾えなくなります。