ネット上の情報では「山頂の山小屋に泊まれば登頂が一番楽になる」と紹介されがちですが、これには山岳医学上の重大な盲点が存在します。
人間が標高3,000mを超える高所で睡眠をとると、呼吸が浅くなり血中酸素濃度(SpO2)が急激に低下します。その結果、行動中には自覚症状がなかった登山者でも、就寝中に急性高山病を本格発症するリスクが格段に跳ね上がります。7合目や8合目で宿泊して体を慣らすステップを飛ばし、一気に山頂まで登って宿泊する行程は、初心者にとって極めてハードルが高い選択肢です。
また、予約が取れなかった際の「キャンセル待ち」に関しても誤解が見られます。頂上富士館では一般的なホテルのような自動繰り上げ式のキャンセル待ちシステムを設けていない場合が多く、天候悪化の予報が出る直前(3日前〜前日)にWEBサイト上でキャンセル分の空室が突発的に再放出される傾向があります。空室状況をこまめにチェックすることが、直前確保の最も有効なアプローチとなります。