根城の歴史を紐解くうえで欠かせないのが、南北朝時代における南朝方の重要拠点だったという背景だ。建武の武者として名を馳せた南部師行は、後醍醐天皇の命を受けて奥州の地に根を張り、この城を築いた。
以来、寛永14(1637)年に遠野へ移封されるまで、約300年間にわたり根城は本拠地、あるいは重要拠点としての役割を果たし続けた。城内を歩いていると、単なる軍事施設という側面を超えて、北東北の政治・経済の要衝として機能していた熱量がひしひしと伝わってくる。南北朝という混迷の時代を生き抜いた一族の決断と軌跡が、土のぬくもりとともに刻まれているのだ。