海軍の栄養食をルーツに持つカレーライスは、日本の主食文化である白米と組み合わさることで、独自の国民食へと脱皮した。ジャガイモ、ニンジン、タマネギという三種の根菜を煮込むスタイルは、明治・大正期の知恵が生み出した知的なブレイクスルーである。
クリームシチューも同様に、戦後の脱脂粉乳給食に発想を得て誕生した日本発祥の洋食だ。欧米の伝統的なブラウンシチューやフリカッセとは異なり、白い色合いと優しい口当たりを追求して進化した。「シチューをご飯にかけて食べるか否か」というネット上の議論は、この料理が単なる西洋料理の模倣ではなく、日本の主食文化と密接に関わりながら育まれた証拠と言える。