帰国後、本格的な俳優活動の口火を切ったのが、舞台『Le Fils 息子』だった。思春期の繊細な葛藤と精神的な崩壊を描く難役に挑んだ彼は、初主演とは思えぬ圧倒的なリアリティで観客と批評家を驚かせた。舞台上で見せた悲痛な叫びと息をのむような沈黙は、アイドルのイメージを完全に塗り替えた瞬間でもあった。
勢いは止まらない。続く舞台『M.バタフライ』では、性別や国境、自己のアイデンティティすら揺らぐ複雑な役どころを巧みに演じ分け、役者としての底知れぬポテンシャルを証明した。声の響かせ方一つ、微細な視線の動き一つにまで計算し尽くされた芝居は、彼がどれほど演劇という芸術に対して真摯に向き合ってきたかを明確に物語っている。