高齢者叙勲の手続きは、本人が88歳を迎える数か月前から水面下で進行します。一般的な手続きのタイムラインと伝達式までの流れは次の通りです。
まず、対象者が88歳を迎える概ね3〜6か月前に関係官庁や自治体から本人または家族へ「事前意向確認」の打診が入ります。受章の意思が確認されると推薦書類が正式に作成され、審査へと移ります。毎月1日の発令当日には、内閣府から公式発表が行われ、官報に氏名と勲号が掲載されます。あわせて読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞などの全国紙および各地方紙の朝刊社会面・特設欄に受章者名簿が掲載されます。
発令後、都道府県庁や担当省庁、あるいは市区町村役所において「伝達式」が執り行われます。勲記(賞状)と勲章が手渡される儀式であり、参加にあたっては格式に応じた服装マナーが求められます。
- 男性受章者の服装:モーニングコート(昼間の最上級正装)またはダークスーツ(黒や濃紺の礼服)、白ネクタイ。高齢のため体調に不安がある場合は、無理のない清潔なフォーマルスーツが推奨されます。
- 女性受章者の服装:色留袖(三つ紋または五つ紋)、訪問着などの伝統的な和装、あるいはアフタヌーンドレスや上品なアンサンブルスーツ。
- 同伴家族の服装:主役を引き立てる落ち着いた礼服、ダークスーツ、セミフォーマルな装い。
88歳という受章者の体調を最優先に考慮し、近年では会場での車椅子利用や座席配置の配慮、長時間の式典を避ける工夫が標準化されています。外出が難しい重度要介護状態の場合には、自治体職員や首長が自宅や施設を個別に訪問して伝達するケースも増えています。