関東圏の通所介護事業所で機能訓練指導員を務めるベテラン言語聴覚士は、日々の発声練習高齢者レクにおける利用者の劇的な変化について次のように証言しています。
「当初は『子ども騙しの言葉遊びなんてやりたくない』と腕組みをして参加を拒んでいた80代の男性利用者がいらっしゃいました。しかし、他の利用者が『骨粗鬆症訴訟…あちゃー言えない!』と吹き出したのをきっかけに、自ら挑戦されて大笑いになったんです。週2回のレクに組み込んで半年が経過した頃、ご家族から『食事中の激しいむせ込みが明らかに減り、以前よりはっきりと聞き取りやすい声で話すようになった』と感謝の連絡をいただきました。嚥下機能の維持には、義務感でやる単調な訓練よりも、笑いながら自発的に息を吐ききるレクリエーションの方が圧倒的に効果が高いのです」
また、介護関係者が集うオンラインコミュニティやSNS上でも、「朝の会でパタカラ体操だけをやっていた頃はあくびをする利用者が多かったが、早口言葉クイズを導入した途端に会場の熱量が激変した」「失敗した人を周囲がいじるのではなく、全員で『難しいよね!』と共感し合える温かい空気感が生まれる」といった現場目線の投稿が多数寄せられています。単なる肉体的なリハビリにとどまらず、孤立しがちなシニアのコミュニケーション回路を開く社会学的な潤滑油として機能している現実が浮かび上がります。