発売されるたびに「店頭から一瞬で消える」「何軒回っても売ってない」という嘆きがSNSを埋め尽くします。この品薄現象は単なる偶然ではなく、製造元である赤城乳業の販売戦略と消費者行動が絡み合った明確な3つの構造的理由が存在します。
第一に、通年販売ではなく「初夏から初秋にかけての完全期間限定商品」である点です。赤城乳業は定番のソーダ味やコーラ味を通年稼働で生産していますが、梨味は毎年7月上旬〜8月頃に投入され、秋口には生産を終了します。店頭で見かける期間そのものが年間でわずか2〜3ヶ月程度に限られているため、時期を少しでも外すと入手不可能になります。
第二に、初動における「熱狂的ファンの買い占め・まとめ買い現象」です。2010年の初登場時、予想を遥かに上回る注文が殺到してわずか数日で出荷停止に追い込まれた歴史があります。その伝説的な美味しさを知るリピーター層は、発売日にスーパーやコンビニで10本〜20本単位のカゴ買いを行うため、一般の消費者が売り場に到着した頃には棚が空になっているケースが多発します。
第三に、店舗側の発注ロットと冷凍ショーケースの物理的限界です。コンビニエンスストアの冷凍平棚は限られた区画しかなく、週次で新商品が投入されるため、一度売り切れた後に再発注をかけないオーナーも少なくありません。「メーカーには在庫があるが、近所の店が再入荷していない」という流通の目詰まりが、買えない体感をさらに強めています。