近年のガストは、座席への電源コンセント設置やすかいらーくフリーWi-Fiの導入を積極的に進めてきた。これを受けて、ネット上では「Wi-Fiとコンセントを開放しているのだから、何時間作業しても客の自由だ」という極端な解釈が散見される。しかし、これは飲食店経営の構造を無視した大きな誤解だ。
ファミリーレストランはコワーキングスペースや時間制ネットカフェとは異なり、「席料」を徴収していない。客単価と客席回転率の掛け合わせによってビジネスモデルが成立している。例えば、ドリンクバー単品(約350円〜500円前後)で4時間滞在した場合、1時間あたりの店舗売上はわずか100円前後にしかならない。これは水道光熱費や人件費、Wi-Fiのインフラ維持費を考慮すると完全な赤字枠となる。
ファミレス側がWi-Fiや電源を提供している本来の目的は、「食事中の利便性向上」や「アイドルタイムの集客促進」であり、無制限の占有を許可しているわけではない。「インフラの提供」と「無制限な居座りの容認」は同義ではないという点は、利用者側が強く認識しておくべき盲点である。