瞬獄殺を扱うキャラクターとして、豪鬼と並び語り継がれるのが「殺意の波動に目覚めたリュウ(通称:殺意リュウ)」です。同じ瞬獄殺でありながら、両者の演出とボイス、そして背負う思想には決定的な対比が描かれています。
豪鬼が放つ瞬獄殺は、一切の無駄を削ぎ落とした静寂の暴力です。技の始動時やフィニッシュ時に放たれる「滅殺」「一瞬千撃……我が拳の前に敵はなし」というセリフは、感情の高ぶりではなく、もはや揺らぐことのない絶対的な自信と達観から発せられます。相手を倒した後に見せる「決めポーズの背中」は、倒れた相手を振り返る価値すらないという圧倒的強者の証です。
対照的に、殺意の波動に目覚めたリュウの瞬獄殺(作品によっては『滅殺・瞬獄殺』)は、激しい苦悶と破壊衝動に満ちています。「血の叫びが……抑えられぬ!」「滅せよ!」と叫びながら放たれる連撃は、豪鬼の完成された美しさと異なり、荒々しく暴力そのものが暴走した質感を持っています。背中に浮かび上がる「滅」の文字は、相手だけでなく己の魂をも焼き尽くす危険な力であることを物語っています。