文化遺産においては欧州が強さを見せる一方、手つかずの大自然や希少な生態系を対象とする「世界自然遺産」に目を向けると、勢力図は一変します。広大な国土面積と特異な地質構造を持つ大陸国家が上位を独占しています。
【世界自然遺産の保有数が多い主な国】
・中国(15件):九寨溝、張家界、四川省のジャイアントパンダ保護区など、絶景と固有種の宝庫。
・オーストラリア(12件+複合4件):グレート・バリア・リーフやウルル(エアーズロック)など、大陸固有の進化を遂げた動植物群。
・アメリカ合衆国(12件+複合1件):イエローストーン、グランドキャニオンなど、国立公園発祥の地としての圧倒的スケール。
・ロシア(11件):バイカル湖やカムチャツカ火山群など、手つかずの広大な北方原生林と極寒の生態系。
自然遺産の審査では、厳格な法的保護区の設定と広大なバッファーゾーン(緩衝地帯)の確保が義務付けられるため、国土の広さが決定的なアドバンテージとなります。中国が総合ランキングでイタリアを猛追できている最大の要因も、この自然遺産登録における圧倒的な強さにあります。