職人の手仕事と歴史的建造物が融合した名店として、ミシュランのビブグルマン獲得歴も持つ同店。現在の営業体制は昼と夜の二部制を軸としながらも、麺の仕込み量や職人の手打ち工程に応じた柔軟な提供体制が維持されている。基本メニューである「釜揚げうどん」と冷たい「ざるうどん」の二枚看板はそのままに、季節ごとの旬素材を取り入れた天ぷらや酒肴のラインナップがより洗練されてきた。
小麦の選定から塩分の配合、生地を寝かせる温度管理に至るまで、長年の経験に裏打ちされた工程は一切の妥協がない。麺の太さは力強いコシを味わう「太打ち」とのど越しを楽しむ「細打ち」から選択可能で、客の好みに寄り添う姿勢は創業以来変わらない。出汁には厳選された削り節と昆布が惜しみなく使われ、徳利で熱々のまま供されるツユの香りが蔵の中に満ちていく。