定期テストや大学入試における古文解釈では、正確な文法知識に基づいた単語の識別が不可欠です。更級日記門出品詞分解の重要箇所を抽出して詳細に解説します。
1. 「あやしかりけむ」の品詞分解と文法機能
「いかばかりかはあやしかりけむを」の文節は、更級日記門出係り結びと文法における最重要ポイントです。
- あやしかり:形容詞シク活用「あやし」の連用形。「身分が低い、見苦しい、田舎びている」の意。
- けむ:過去推量の助動詞「けむ」の連体形。「〜であっただろう」の意。
- 文法上の注意:直前にある係助詞「か(は)」を受けて、文末の助動詞「けむ」が終止形(けむ)ではなく連体形(けむ)になっています。疑問・反語のニュアンスを含み、「どれほど見苦しく田舎びていたであろうか」と解釈します。
2. 「あなる」の識別と音便無表記
「物語といふもののあなるを」に含まれる「あなる」は、入試の文法識別問題で狙われやすい代表格です。
- 成り立ち:ラ変動詞「あり」の連体形「ある」+伝聞・推定の助動詞「なり」の連体形「なる」。
- 音便変化:「あるなる」が撥音便化して「あんなる」となり、さらに表記上「ん」が脱落(撥音便無表記)して「あなる」となっています。「〜があるそうだ」という伝聞の意味になります。
3. 「いかで見ばや」の構造と願望表現
少女の焦燥感をストレートに示す重要フレーズです。
- いかで:副詞。「なんとかして(願望)」または「どうして(疑問・反語)」。ここでは後続の「ばや」と呼応して「なんとかして」の意。
- 見:マ行上一段活用動詞「見る」の連用形。古文では「書物を読む」という意味を持ちます。
- ばや:自己の願望を表す終助詞。「〜したい」。
4. 更級日記門出重要単語・古語のチェックリスト
- つれづれなり:形容動詞(タルト/ナリ活用)。することがなく退屈だ、手持ち無沙汰だ。
- 宵居(よひゐ):名詞。夜更かしをすること、夕方に起きていること。
- ゆかし:形容詞(ク活用)。見たい、聞きたい、知りたい、心が惹かれる。
- 心もとなし:形容詞(ク活用)。待ち遠しい、じれったい、不安だ。
- 身を捨てて:慣用句。我を忘れて、身を投げ出すように必死になって。