柔道の総本山である講道館や全国の強豪道場で受け継がれているたたみ方は、無駄のない所作と端正な仕上がりが特徴です。全国の少年柔道クラブ(青葉柔道会や志筑柔道クラブなど)の指導マニュアルでも、まず徹底されるのは「上衣の合わせ方」と「ズボンの位置決め」です。床の上に広げて行う基本の平畳み手順を、視覚的なイメージが浮かぶように順を追って確認していきます。
ステップ1:上衣を表向きにして平らに広げる
畳または床の上に、柔道着の上衣の背中側を下に向け、前身頃を上にして綺麗に広げます。背中や肩の大きなシワを手のひらで左右に撫でて伸ばします。このとき、胸元は着装時と同様に「左襟が上(右襟が下)」になるように重ね合わせます。和服の原則と同じく、右襟を上にしてしまうと死に装束(左前)の禁忌に触れるため、指導現場でも厳しくチェックされるポイントです。
ステップ2:ズボンを整えて上衣の中央に配置する
柔道着のズボン(下衣)は、ウエスト部分に紐を通す輪っか(ループ)がある側が前です。前後を正しく合わせたら縦に二つ折りにし、さらに裾をウエストに向けて二つ折り、または三つ折りにたたみます。コンパクトに整えたズボンを、先ほど広げた上衣のちょうど胸から腹部の中央部分にポンと置きます。
ステップ3:両袖と脇身を内側へ折り込む
中央のズボンを芯にするような感覚で、上衣の左側の脇身と袖を内側へ折り返します。袖口がはみ出さないよう、身頃の幅に合わせて袖を肘のあたりで垂直に折り返します。右側も同様に、身頃と袖を内側へ折り込みます。この段階で、道着全体が綺麗な縦長の長方形になります。
ステップ4:裾を持ち上げて上下を二つ折りにする
下側の裾部分(ひし形の刺し子縫い目が特徴的な「下がり」の部分)を持ち上げ、肩口・襟元に向けて半分にパタンと折り返します。これで四角く引き締まった「平畳み」の完成です。道場内の棚に保管する場合や、自宅の押入れに収納する際はこの形状が最も通気性を保ち、見た目にも美しい状態を保てます。