全国の学校に配布された端末のセキュリティは、年々強固になっている。YouTubeの閲覧制限はもちろん、主要なブラウザゲームやゲーム攻略サイトへのアクセスはほぼ例外なく弾かれる。だが、生徒たちの工夫は管理側の先を行く。
いま教室で静かに広がっているのが、Googleスプレッドシートや共同編集ドキュメントをプラットフォームにした自作ゲームだ。誰かがセルにマス目を引き、テキストベースのダンジョンRPGや五目並べの盤面を作る。リアルタイムでカーソルが動き、文字だけで攻防が繰り広げられる。教員画面の監視ツール「授業支援システム」から見れば、それは「課題の共同編集」にしか映らない。
プログラミング学習用アプリ「Scratch」の改造コミュニティも健在だ。学習用という大義名分を盾に、生徒たちは休み時間になると自作コードのミニゲームを共有し、フレームレートの限界に挑む。制限されればされるほど、裏道を見つけるスキルだけが異常な速度で磨かれていく。