インターネット上の演奏動画や掲示板には、初心者を惑わせるいくつかの危険な誤解が蔓延しています。
誤解1:「エレキギターのストラップは低く構えるのがカッコいい」の罠
ロックギタリストが太ももや膝のあたりまでギターを下げて演奏する姿は視覚的にクールですが、初心者がこれを真似るのは極めて危険です。エレキギターの立ち方においてストラップの長さを伸ばしすぎると、手首の屈曲が物理的な限界を超え、指をフレット上に開くことが不可能になります。 プロが低い位置で弾けるのは、ローポジションの簡単なリフやパワーコードに特化させているか、手首への負担を逃す独特の脱力スキルを長年かけて身につけているからです。初心者にとって最適なストラップの長さは、「座って構えたときのギターの高さ」と「立ったときの高さ」がほぼ一致するポジションです。まずはみぞおち付近の安定した高さからスタートし、技術の習得に合わせて徐々に微調整していくのが安全なアプローチです。
誤解2:「弦は力いっぱい押さえ込まなければ鳴らない」という錯覚
「音がビビるのは指の力が弱いからだ」と信じ込み、指先が変色するほど指板を握りしめているビギナーが後を絶ちません。しかし、弦をフレット線(金属の棒)に密着させるために必要な力は、卵をそっと持つ程度のわずかな圧力に過ぎません。 弦を押さえる位置が「フレットの真後ろ(右利きならフレットのすぐ左隣)」から数ミリでも離れてしまうと、いくら怪力で押さえても音は濁り、ピッチ(音程)がシャープして狂ってしまいます。力で解決しようとせず、「押さえる位置をフレットのギリギリ隣に寄せる」ことこそが、劇的に音をクリアにする最大の近道です。