70年代から80年代にかけて、東映が手掛けたアクション映画や警察機構の闇に迫るドラマ群は、日本映画・ドラマの熱量を決定づけた。その渦中で伊吹剛が見せたのは、決してスマートなだけではない、泥にまみれながらも己の正義を貫く男の泥臭い美学だ。
汗と血の匂いがスクリーン越しに立ち上るような体当たりのアクション。CGのない時代だからこそ、スタントに頼らず身体一つで飛び込んでいく肉体派のリアリズムが求められた。東映京都撮影所や大泉のスタジオで培われたその熱量こそが、現代の撮影環境では決して再現できない「昭和の映画人たちの魂」そのものであった。