「ピカッ!」という愛らしい一声がスピーカーから響くだけで、空間の空気が一変する。声優・大谷育江による唯一無二のボイスは、もはや世界共通言語と言っていい。怒り、喜び、驚き、甘え。シンプルな音節の中に宿る豊かな感情表現が、着ぐるみに確固たる「魂」を吹き込んでいる。
初期のゲームボーイソフト開発時にサウンドを手掛けた増田順一がこだわった電子音の記憶から、テレビ東京系列のアニメ放映を経て、ピカチュウの鳴き声は世界のカルチャーへと昇華した。現代のパレードでは、YouTubeなどで配信される最新の公式ダンスミュージックと大谷ボイスが高度にシンクロし、完璧なアクターの身のこなしと相まって、観客に「いま目の前で生きている」という強烈な実在感を与えるのだ。