事件の発端は、どこにでもある小さな悪ふざけだった。あるユーザーが掲示板に投下した一言の書き込みとURL。そこにリンクされていたのは、当時爆発的な普及を見せていたSNS「mixi」の個人ページだった。
当時のmixiは友人限定公開や足あと機能など、閉ざされたコミュニティという安心感が強かった。しかし、その「安心感」こそが最大の罠だったと言える。ほんの少しのアクセス設定の隙を突かれ、アカウント所有者の実名、顔写真、交友関係、さらには日記に投稿されていた過激なプライベートショットまでが、瞬く間にVIP板へと転載されていったのである。
ネット住民による特定作業は電光石火だった。複数の情報断片がジグソーパズルのように組み合わされ、数時間もしないうちに個人のIDや生活圏までが白日の下に晒される事態となった。