ネット上の一部では、「3度も再発したということは末期なのではないか」「もう助からないのではないか」といった極端な言説が見受けられます。しかし、これは現代のがん医療の実態に対する重大な誤解です。
現在のがん治療において、再発=即座に余命宣告という構図は過去のものとなりつつあります。特に分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、目指すゴールは「短期間での完全根絶」から、高血圧や糖尿病のように病状を抑え込みながら日常生活を維持する「がん共生(サバイバーシップ)」へとシフトしています。
古村さんの場合も、2026年の再発以降、オプジーボと化学療法を適切に組み合わせることで、腫瘍の活動性を抑え、仕事や講演活動を継続できる体力を維持しています。また、手術の後遺症である下肢リンパ浮腫や抗がん剤の副作用に対しても、弾性ストッキングの着用やマッサージ、ウィッグの活用など、適切な対症療法(支持療法)を取り入れながらコントロールしています。「完治」だけに囚われず、「良好な共存状態をいかに長く保つか」が現在の治療戦略の本質です。