秋に収穫されたばかりの新米と、収穫から1年以上が経過した古米には、明確な構造の違いがあります。最大の要因は米粒内部の水分含有量の低下と表面の脂質の酸化です。新米は細胞壁が柔らかく、吸水がスムーズに進みますが、古米は時間の経過とともに細胞壁が硬化し、水を吸いにくい状態へと変化しています。
さらに、米の表面に残る微量な米ヌカの脂質が空気中の酸素に触れて酸化することで、いわゆる「古米臭(カルボニル化合物)」が発生します。これが炊き上がりのパサつきや独特の匂いの元凶です。逆に言えば、「酸化したヌカをしっかり落とす」「失われた水分を芯まで届ける」「分解が鈍ったデンプンの糖化を促す」という3つの課題をクリアすれば、古米であっても新米に迫る美味しさを再現できます。