『古畑任三郎』の画期的な点は、犯人側があらかじめ明かされている倒叙ミステリー形式を採用したことだ。脚本を担当した三谷幸喜は、毎話登場する大物ゲスト犯人のために当て書きを敢行。犯人役の個性を最大限に引き出す緻密なシナリオを作り上げた。
歌舞伎界、球界、政界、エンタメ界のトップスターたちが「古畑に追い詰められる犯人」として次々と出演した。各界の第一人者が、己のイメージを崩してでも演じたいと切望した背景には、三谷幸喜による圧倒的な脚本の面白さと、田村正和という名優と対峙できる贅沢な時間があったからにほかならない。