旅の計画を立てる旅行者の間で長年囁かれているのが、「広島の猫島はどこにあるのか」という疑問です。現地取材と地理的データを照合した結論から言えば、広島県内に行政上の通称として「猫島」と定義された離島は存在しません。
この誤解が広まった背景には、瀬戸内海に点在する動物スポットのイメージが複雑に重なり合った経緯があります。最も多いのが、竹原市に属する大久野島(うさぎ島)との混同です。大久野島は約1,000羽近くの野生ウサギが生息する世界的観光地ですが、ウサギを保護・優先する環境管理のため、犬や猫などの持ち込みやペット同伴は固く禁じられています。
また、広島を代表する観光地である尾道市街地が「猫の街」としてメディアで頻繁に取り上げられるため、「広島の瀬戸内海=猫がたくさんいる島がある」という先入観がネット検索を通じて定着しました。広島県内の島々に地域猫が暮らすのどかな漁村は点在しているものの、愛媛県の青島や香川県の男木島のように「島民以上に猫が密集する観光地」として公認されている島は広島県内にはないのが実態です。