1972年に結成された舞踏集団「大駱駝艦」は、当時の演劇界およびダンス界に激震を与えた。金粉や白粉を身に纏ったダンサーたちが、生と死、欲望と静寂の狭間で身悶えするそのスタイルは、「タンプ=タンプ(天賦典身)」と呼ばれる独自の身体表現へと昇華していく。欧米巡演を成功させ、パリやニューヨークでも熱狂的な喝采を浴びた背景には、言語の壁を軽々と超える「肉体の切実さ」があったからに他ならない。
舞台上で繰り広げられる世界観は、美しい旋律や整ったダンスステップとは対極にある。地を這い、眼球を剥き出しにし、呼吸音すらも演出の一部へと変えてしまう。それは近代化によって人間が失ってしまった「生身の野性」を取り戻す儀式でもあった。