広島市(広島電鉄)、鹿児島市、高知市(とさでん交通)、熊本市、富山市、札幌市、そして宇都宮ライトレール(LRT)が運行する栃木県宇都宮市など、軌道が市街地を走る地域では、地元住民と他県からのドライバーの間で運転感覚に大きな開きがあります。
SNSや知恵袋などのドライバーコミュニティでは、「右折レーンに入ろうとしたら路面電車のレール上を走る形になり、後ろから警笛を鳴らされてパニックになった」「雨の日にレールの上を通ったらタイヤが滑ってスピンしそうになった」といった恐怖体験が数多く語られています。
都市交通工学および交通心理学の観点から分析すると、ドライバーが軌道敷内でパニックに陥る背景には「路面電車の特性に関する錯覚」があります。自動車のドライバーは「相手もブレーキを踏めば止まれるだろう」と無意識に思い込みがちですが、鉄のレールの上を鉄の車輪で走る路面電車は摩擦係数が極めて低く、時速40km走行時の制動距離は自動車の約1.5倍から2倍以上を要します。急ブレーキをかけた場合でも数十メートル滑走するため、直前での進入や無理な右折待機は命取りになります。