黒死牟の第一印象は恐怖そのものだ。顔面に浮かぶ六つの眼球。それぞれの瞳に深く刻み込まれた「上弦」「壱」の刻印。人間の理性を遥かに超越したその異形は、初登場の瞬間から画面越しに観客の息の根を止めにかかる。
しかし、その姿は単なる怪物ではない。かつて戦国時代の誉れ高き武士であった面影を静かに漂わせている。紫の柄が目を引く着物に身を包み、腰には生き物のように脈打つ異形の日本刀。圧倒的な静寂。そして、空間を支配する圧倒的な威圧感。画面から伝わる「勝てる気がしない」という絶望感こそが、彼という存在の真骨頂である。