お館様の存在感が鮮烈に刻まれた最初の契機は、アニメ第1期終盤に描かれた「柱合会議」でした。我の強い最強の剣士たち(柱)が一堂に会し、鬼を連れた竈門炭治郎の処遇を巡って殺気立っていた空気を、耀哉はたった一言の挨拶で完全に静まり返らせます。
「よく来てくれたね、私の可愛い子供たち」
このセリフに込められた慈愛の深さは、隊士たちを単なる部下ではなく、自らの命に代えても守るべき家族として愛していることを瞬時に観客へ理解させました。不死川実弥が怒りを露わにして詰め寄った際も、決して威圧することなく、病に侵された体で静かに語りかけ、実弥の荒ぶる心を解きほぐしていく場面は屈指の名シーンです。
言葉の端々に滲む誠実さと包容力。炭治郎や柱たちが「この人のためなら命を捨てられる」と心から忠誠を誓う説得力を、森川氏は言葉の抑揚と温もりで見事に成立させました。