童磨というキャラクターが異質なのは、最期の瞬間まで「悪の美学」すら持っていなかった点にある。虹色の瞳を持って生まれ、周囲から神童と崇められながらも、心の中は完全な空洞。他人の苦しみにも自分の死にも、一切の共感や恐怖を抱かない。感情の真似事をしながら生き続けた悲しき怪物だった。
首を切り落とされ、肉体が崩れ去っていく最中すら、彼は焦ることなく自らの敗因を冷静に分析していた。毒によって頸が軟化していなければ、若き二人の刃など届かなかっただろう。しかし、その歪んだ冷徹さこそが、彼の足元をすくう最大の隙となったのである。