無限列車編において、物語の後半に突如現れた上弦の参・猗窩座のインパクトがあまりに強烈だったため、一部のネット掲示板やSNSでは「魘夢は所詮下弦、大したことなかった」「単なる前座に過ぎない」といった誤った言説が見受けられます。しかし、戦闘の構造を緻密に分析すると、その評価は決定的に誤りであることが分かります。
炭治郎たちが勝利できた最大の要因は、伊之助の被り物によって「視線が合わず術の対象になりにくかったこと」や、禰豆子の血鬼術「爆血」による夢の縄の解除という、極めて限定的な特効要素が重なった点にあります。もし炭治郎が単独で列車に乗り込んでいた場合、あるいは煉獄杏寿郎が孤立無援だった場合、術の仕様を見破る前に乗客もろとも全滅していた可能性が極めて濃厚でした。
さらに、無機物である蒸気機関車そのものと融合し、乗客200人を人質兼エネルギー源に変えるという戦術は、柱一人では「乗客の保護」と「頸の捜索・切断」を物理的に両立できない状況を作り出しました。純粋な武力勝負ではなく「シチュエーション構築」において、下弦の壱は上弦に匹敵する詰み状況を生み出していたのです。