密偵陣の中でも一際異彩を放つのが、かつての大盗の娘であり、平蔵への秘めたる慕情を抱きながら働く女密偵・おまさだ。過酷な密偵稼業に身を投じながらも、女としての切なさと芯の強さを併せ持つ重要なポジションである。
この難役に挑む中村ゆりは、凛とした佇まいと透明感あふれる演技で視聴者を魅了する。潜入先での危うい立ち回りと、平蔵の前で一瞬見せる乙女の表情——その感情の揺らぎを繊細な仕草や視線で表現する力量は秀逸だ。ただの協力者にとどまらない、命をかけた愛念の深さを中村ゆりがみごとに表現しており、女性層からの共感も集めている。