東映アニメーションと水木プロダクションのタッグによって生み出され、空前の大ヒットを記録した映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、鬼太郎誕生の凄惨な裏設定を現代のファンに強烈に知らしめた。劇中で描かれたのは、昭和の政財界を裏から操る龍賀一族の業と、人間のエゴイズムによって搾取される妖怪たちの姿である。
かつて戦争を経験した水木しげる自身の悲痛な体験が色濃く反映されたこの物語では、人間側の「強欲と狂気」が妖怪以上の恐怖として迫ってくる。惨劇の中で結ばれた鬼太郎の父(ゲゲ郎)と人間・水木との絆こそが、のちに鬼太郎が人間に寄せる「わずかな希望」の原点となった。この裏設定の開示により、過去作を改めて見直す考察ブームが最高潮に達している。