保険料の計算ロジックは両者で根本から異なります。ここを把握することが、「自分はどちらが得なのか」を正確に見極める第一歩です。
社会保険の健康保険料は、毎年4月〜6月の総支給額の平均値から算出される「標準報酬月額」に保険料率を乗じて算出されます。例えば協会けんぽ(東京都)の場合、健康保険料率は約9.98%(介護保険非該当)であり、これを会社と本人が半分ずつ負担するため、個人の実質負担は約4.99%です。どれだけ高収入であっても標準報酬月額には上限(健康保険は月額139万円、厚生年金は月額68万円)が設定されています。
一方、国民健康保険料は、前年の総所得金額等をもとに自治体ごとに定められた料率で計算される「所得割」、世帯の加入者数に応じてかかる「均等割」、世帯ごとにかかる「平等割」、固定資産に応じる「資産割(一部自治体)」を合算して決定します。自治体ごとに財政状況が異なるため、同じ年収でも住む市区町村によって保険料に年間数万円から十数万円の格差が生じます。また、全額自己負担である点も大きな特徴です。
単身世帯・扶養家族あり世帯の保険料シミュレーション
年収400万円(月給約33万円、前年所得約260万円)のモデルケースで年間保険料(概算)を比較してみます。
- 単身者の場合:
・社保(本人負担分):健康保険料 約20万円+厚生年金 約36万円 = 合計 約56万円
・国保+国民年金:国保料 約28万円+国民年金 約20.4万円 = 合計 約48.4万円
※単身で医療保険部分のみを比べると、会社半額負担がある社保(約20万円)の方が国保(約28万円)より8万円ほど安くなります。 - 配偶者(無収入)と子ども1人を扶養する場合:
・社保(本人負担分):家族が何人増えても健康保険料は変わらず 約20万円
・国保:世帯主所得割に加え、家族2人分の均等割(1人あたり年3〜5万円程度)が上乗せされ 約36万〜40万円
単身者の場合は年金を含めたトータル支払額で一見国保が低く見える局面もありますが、家族を養う世帯主においては、扶養追加によるコストが一切発生しない社会保険の優位性が極めて顕著になります。