施設の中央ホールに足を踏み入れた瞬間、誰もが思わず息をのむ。天井近くまで届く巨大な凧――毎年5月に江戸川河川敷で開催される「春日部大凧あげ祭り」の象徴が、圧倒的なスケールで来訪者を迎えてくれる。縦15メートル、横11メートル、重さ数百キロにも及ぶ百畳敷きの大凧は、庄和地区に息づく職人技と結束の結晶だ。
館内に展示されている実物大の骨組みや鮮やかな文字を見上げると、紙と竹だけで空を舞う迫力が肌身に迫る。祭りの歴史を紹介するパネル展示には、大正時代から受け継がれてきた伝統への敬意が詰まっていた。立ち止まったドライバーが「高速を降りてわざわざ寄った甲斐があった」と呟きながらスマートフォンを掲げる。地域の伝統文化を日常の動線で体感できる贅沢な空間が、ここにはある。