「国公立大学は私立大学に比べて一律に安い」という認識には、公立大学特有の落とし穴が存在します。それが地域内生(地元出身者)と地域外生(県外・市外出身者)による入学金の二重価格制度です。
文部科学省が定める標準額において、国立大学の学費は入学金28万2,000円、年間授業料53万5,800円で全国一律(一部の独自改定校を除く)に設定されています。これに対し、公立大学は地方自治体の税金で運営費が賄われているため、地元住民の納税負担に配慮した料金体系が敷かれています。
一般的な公立大学では、本人または保護者が当該自治体に一定期間(多くは1年以上)住民票を置く「地域内生」に対しては、入学金を14万1,000円〜20万円程度へと大幅に減額します。しかし、エリア外から進学する「地域外生」に対しては、国立大学と同等か、場合によっては35万〜40万円以上の入学金を設定する大学も珍しくありません。
高等教育の修学支援新制度(授業料減免・給付型奨学金)や、多子世帯を対象とした大学無償化政策の拡充が進む2026年現在においても、対象外となる世帯や生活費負担を考慮した場合、地域外の公立大学へ進学して一人暮らしをする選択は、地元の国立大学や私立大学への自宅通学と比較してトータルコストが逆転するケースがあります。