1990年代、日本中に激震が走った。後藤久美子がフランス出身のF1レーサー、ジャン・アレジとパートナーシップを結び、渡仏を決意したニュースだ。モータースポーツの頂点で闘うトップドライバーとの生活は、彼女の人生を大きく変えた。スイスやフランスを拠点とする壮大な欧州ライフが始まり、日本のメディアからは一時距離を置くことになる。
国境を越えたこの劇的な転身の際も、実家の家族や姉との連絡は絶え間なく続いていたとされる。遠く離れたヨーロッパの地から里帰りするたび、姉妹は昔と変わらぬ笑顔で時間を共有していた。華やかなセレブリティの世界に身を置きながらも、根底にある地に足のついた感覚を失わなかったのは、実姉をはじめとする家族の変わらぬ温もりがあったからにほかならない。