こうした現場の声は、公的なデータや学術調査とも一致する。日本性科学会が実施した意識調査によると、60代の約半数以上が「年齢を重ねてもパートナーとの親密な関係を維持したい」と回答している。加齢に伴うからだの変化を受け入れつつ、自分たちのペースでスキンシップを楽しむ意識が定着しつつあるのだ。
また、厚生労働省が公表する健康意識に関する各種報告でも、シニア世代のQOL(生活の質)向上における精神的・身体的充足感の重要性が指摘されている。性的な幸福感は孤立を防ぎ、メンタルヘルスの安定にも寄与する。医療や福祉の現場でも、シニアの愛情表現を不健全とみなす時代遅れの視点は淘汰されつつある。