楽曲のヒットを受けて1980年3月に劇場公開されたのが、松竹映画『思えば遠くへ来たもんだ』です。『男はつらいよ』シリーズで知られる山田洋次が原案・脚本協力を務め、朝間義隆がメガホンをとりました。主演はもちろん武田鉄矢自身が務めています。
物語の主人公は、東京の大学を卒業したものの教員採用試験に落ち続け、岩手県盛岡市の私立高校に臨時採用された熱血漢の青年教師・鹿島高太郎。都会育ちの不器用な青年が、みちのくの厳しい寒さと素朴な生徒たち、同僚教師との交流を通じて人間的に成長していく姿をユーモアと涙を交えて描いたヒューマンドラマです。
本作の大きな魅力となっているのが、情緒あふれるロケーションです。撮影は岩手県盛岡市を中心に、雫石町や小岩井農場周辺で大規模に敢行されました。雪残る岩手山を背景に走る山田線の気動車や、古い街並みが残る盛岡市内の風景は、楽曲が持つ「旅の哀愁」を視覚的に完璧に補完しています。