深田恭子が体現した主人公・春見順子は、決して「完璧なヒロイン」ではなかった。東大受験の失敗、就活の挫折、恋愛への極度な鈍感さ。どこか人生を諦めかけていたアラサー予備校講師の前に現れたのが、鮮烈なピンク色に髪を染めた高校生・由利匡平、通称「ユリユリ」だ。この役を射止めた横浜流星の瑞々しくも鋭い眼差しは、文字通り日本中のお茶の間を席巻した。
ただ甘いだけのラブコメディに終わらなかったのは、二人が互いを「自分を変えるための光」として認め合っていたからに他ならない。舌足らずな優しさ、雨の中の告白、そして「ご褒美ください」という伝説の名セリフ。横浜流星が演じた由利匡平の切実な思いは、深田恭子の柔らかく包容力ある受けの芝居によって、嘘のない本物の感情へと昇華された。現場での綿密なディスカッションが生んだ奇跡的なケミストリーだ。