政界関係者の間でかねてより噂されていたのが、彼の体調面に関する懸念だった。防衛相在任中から杖を突いて執務に当たる姿が見られ、車椅子での移動が増えていた。健康状態の悪化は、防衛行政という極限のストレス下での重責が拍車をかけたと言われている。
限界を迎えた末の政界引退劇。そのバトンを受け取ったのが長男の岸信千世氏だった。山口の選挙区を巡る補欠選挙では、血統の継承か世襲批判かの議論が噴出。地元の強固な後援会組織と自民党の組織力によって地盤は維持されたものの、後継者選びのプロセスには永田町のドタバタ劇が生々しく刻み込まれている。