『とっとこハム太郎』を語る上で避けて通れないのが、音楽フェスやクラブイベントで発生する「ハム太郎コール(ハム太郎サークル)」の存在です。「だ〜いすきなのは〜」の歌唱に合わせて観客が一斉に「オレもー!」と絶叫し、間奏に入ると同時に巨大な輪(サークル)を作って時計回りに全力疾走する光景は、国内外のSNSで数百万再生を記録するほどのバイラル現象となりました。
この現象の発祥は、2010年代前半のアニソン系クラブイベント(アニクラ)カルチャーに遡ります。アイドル現場特有のコール(MIX)文化と、ロックフェスのモッシュ・サークルピット文化が奇跡的な交差を果たし、「誰もが100%歌詞を知っているキラーアンセム」としてハム太郎が選ばれたことが発端です。
当時の現場を知るクラブDJやオーディエンスの証言によると、「最初は小規模なクラブの悪ふざけだったものが、SUMMER SONICやROCK IN JAPAN FESTIVALなどのDJアクト、さらには『Animelo Summer Live(アニサマ)』のような巨大アリーナへ波及していった」とされています。原曲が持つBPM約130というテンポは、人間が全力で駆け足をするのに最も適したステップ数であり、肉体的な高揚感を生み出す構造的必然性があったのです。