店内に足を踏み入れた瞬間、心地よい焙煎の香りが鼻腔をくすぐる。スターバックス コーヒー ジャパンとのシームレスな提携によって実現した「Book & Cafe」のフォーマットは、いまや全国で親しまれているが、函館の地においてそれは特別な意味を持った。冬の寒さが厳しい北国の街に、誰もが気兼ねなく何時間でも過ごせる巨大な「街の居間」が出現したからだ。
購入前の書籍や雑誌をコーヒーとともに席で吟味できるブック&カフェ(サードプレイス)の思想は、単なる利便性の提供にとどまらない。自宅でもなく職場・学校でもない、自由な自分に戻れる「第三の居場所」。席の間隔や椅子の座り心地、店内を流れるBGMの音圧に至るまで、徹底して個人のパーソナルスペースが守られるよう設計されている。