強権と分断の歴史は、決して過去の遺物ではありません。元検事総長として「不正の根絶」を掲げて政権を奪還した尹錫悦政権下においても、極度の政局対立が続いています。
国会で野党が多数派を握る「ねじれ国会」の中で政権運営は難航を極め、野党指導者への司法追及と、大統領夫人をめぐる疑惑追及が激突。事態が決定的な局面を迎えたのが、突如として強行された「非常戒厳」の宣言でした。短時間で国会によって解除要求が決議されたものの、この前代未聞の事態によって政権の正統性は致命的な打撃を受け、弾劾訴追案の提出や捜査機関による取り調べなど、韓国政治は再び巨大な嵐に突入しました。
検察のトップとして歴代大統領を法廷に送ってきた張本人が、自らもまた権力の迷宮に囚われ、国家を揺るがす危機に直面するという皮肉な現実。韓国現代政治のダイナミズムと危うさは、2026年の今もなお続いています。