韓国の米軍基地は今どう動く?平沢移転と龍山返還・撤退論の真相

韓国の米軍基地は今どう動く?平沢移転と龍山返還・撤退論の真相

韓国の米軍基地は今どう動く?平沢移転と龍山返還・撤退論の真相の疑問点について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

米国の政権交代や選挙のたびに、国内外のメディアで「在韓米軍の撤退や大幅削減」の可能性が取り沙汰されます。なぜ撤退論が浮上するのか、その背景には3つの決定的な論点が存在します。

第一の要因は「防衛費分担金特別協定(SMA)」を巡る負担交渉です。
米国内の保守派やトランプ前大統領らは「裕福な同盟国への過剰な支援」を問題視し、韓国側の大幅な駐留経費負担増を強く要求してきました。妥結に至る過程で米側から駐留規模の見直しカードがチラつくため、これが撤退論の火種となります。

第二の要因は「戦時作戦統制権(OPCON)」の移管問題です。
現在、朝鮮半島有事の際の指揮権は「米韓連合軍司令部(司令官は米軍大将)」が握っています。韓国軍への作戦統制権の返還は長年の懸案ですが、条件(韓国軍の独自偵察・打撃能力の確立、北朝鮮の核抑止力評価など)が完全に整うまでは慎重姿勢が維持されており、移管の遅れが米軍駐留のあり方に影響を与えています。

第三の要因は米国の法制度によるブレーキです。
撤退論が叫ばれる一方で、米議会が毎年超党派で可決する米国防権限法(NDAA)には、「在韓米軍の規模を一定水準(原則2万8,500人)未満に削減するための予算執行を制限する条項」が盛り込まれ続けています。米議会において在韓米軍は、対北朝鮮のみならず対中国・ロシア包囲網の不可欠な要石と位置づけられており、一方的な電撃撤退は構造上極めて困難です。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。