漢字の成り立ち(白川静『字統』などの字源学)を参照すると、「興」は4つの手(左右の臼の部分)で神輿(みこし)や重い祭具を持ち上げる様子を象った象形文字です。中心にある物を周囲から協力して持ち上げるという構造が、文字の組み立て順にも反映されています。
また、歴史的な書物や古典名筆に登場する「旧字体(舊字體)」や異体字の筆順を知ることで、なぜ現代の筆順がこう定められているのかが明快に理解できます。
旧字体では、中央部分が「同」ではなく「与」のような形状を含む古い書体も存在しました。しかし、いずれの字体であっても「中心軸をまず定めてから、左右の手(臼)を配し、最後に台座(八)で持ち上げる」という根本的な筆順の力学は一貫しています。この構造理解があれば、1画目を迷うことは二度となくなります。