実用ボールペン字講座の現場指導員や書道師範への取材によると、受講生が持ち込む実用文書(履歴書、芳名帳、のし袋など)において、「義」の字形が右に傾いたり、縦長に伸びすぎて枠に収まらなくなったりする事例が極めて目立つといいます。
「多くの方が『我』の横棒を先に書いてしまうことで、9画目の縦はねと11画目の斜曲鉤の距離感がつかめなくなり、文字全体が右下に流れてしまう現象が起きています。正しい筆順に従って第7画の左払いを起点にすると、自然と横画の長さが抑制され、文字のコア(中心軸)が確立されるのです」(都内書道教室主宰・指導歴22年の師範談)
SNSやネットコミュニティに寄せられる「大人になってから書き順の誤りを指摘されて恥ずかしい思いをした」という生の声の検証でも、槍玉に挙げられる漢字の筆頭がこの「義」です。自己流の癖字を矯正する第一歩は、視覚的な字形だけでなく運筆の軌跡を再プログラミングすることにあります。